Q.
クロマツのあちらこちらの枝の針葉が
褐色に変色し始めました。
原因は何でしょうか。防止対策はありますか?
A.
まず、根株・根に異常がないか確認してください。
その次に、幹の3か所位に大きな釘を
材に達するまで打ち付けて、その後抜き取ります。
根株腐朽・根腐れなどの被害がなく、
翌日になっても、打ち付けた個所から
樹脂が出てこないようであれば、
マツの材線虫病(いわゆる松くい虫被害)を
疑いましょう。
庭木として管理されたクロマツは、
自然に育ったクロマツと比べ、
材線虫病の病状が異なり、
材線虫病を運ぶマツノマダラカミキリの枝を
齧った痕や産卵根も見つけられないことが多いため、
外観からは判断が難しいものです。
根腐れなどの被害がなく、今の時期に3か所とも
樹脂が出ないようであれば、
治療することは困難でしょう。
枯れたマツをそのままにしておくと、
翌年の感染源になる可能性が高くなります。
最近、隣同士の根が癒合していた場合には、
枯れた木の根から病原の材線虫が元気のよい
木の根に移動して、元気のよかった木を
枯らすことがあると報告されています。
出来れば、近接してマツが植栽されている場合には、
念のため太い根は掘り取ってください。
もし、樹脂が出るようであれば、
他の原因を探す必要がありますが、
材線虫病の病状進展が遅れている可能性も
ありますので、材線虫病予防の浸透移行性の
高い樹幹注入剤や土壌施用剤を
急ぎ施用するとともに、水やりを
しっかりされる方が良いと思います。
また、10月中~下旬に、
もう一度樹脂が出るか否か確認され、
樹脂が出るようであればその年度内に
枯れることは殆どないと思います。
(小河)