Q.マツの変色

Q.
9月になって近所のマツが黄色に変色しはじめ、2週間くらいで真っ赤になってしまいました。
うちの庭にもマツがあるので心配しています。原因と対策を教えてください。


A.
マツクイムシ被害という言葉はよく聞かれると思います。

マツクイムシ被害は、マツノザイセンチュウ(以下、材線虫)という線虫が、
前年枯れたマツから5月中旬から8月上旬にかけて飛び出してくるマツノマダラカミキリ(以下、カミキリ)の体内に保持されて元気なマツに運ばれ、
カミキリが枝をかじった跡(後食痕)から材の中に侵入して引き起こす病気です。
これを「マツの材線虫病」と言います。

これに侵されると、お盆過ぎ頃から針葉の色が変わり始め、9月ごろには真っ赤に変色して枯れるものも出てきます。

材線虫病に感染しているか否かを判断するには、
マツのみどり摘み頃に後食痕があるかどうか、
7月頃に幹に小さな傷を付けて(五寸釘を打ちつけた後引き抜く)、
そこから樹脂が流れだすかどうかを観察します。
後食痕があったり、
樹脂滲出が少ない場合には感染が疑われます。

対策として
①近くに枯れたマツがあれば伐採し焼却するか、
マキやチップにして翌年4月末までに利用してください。

②庭木には、5月中旬、6月上旬から中旬、6月下旬から7月上旬の3回、マツノマダラカミキリ後食予防の殺虫剤を散布してください。

③庭木のマツが心配ならば、前述の要領で樹脂の滲出状況を見てください。
9月下旬の今頃、傷口から樹脂が流れ出るようであれば、来年3月までに枯れる確率は5%もありません。

④来年の話になりますが、7月中旬から8月中旬にかけて雨が少ないような時は、たっぷりと水をあげてください。
マツが受けるストレスを緩和し、発病を多少抑制できます。(小河)