Q.イロハモミジの病気

Q.
 イロハモミジの根際に虫の糞が出ています。

 また、枝が枯れている部分もあります。どのように対処したら良いでしょうか。

A.
 モミジ類にはよく見かけられることですが、根際であればゴマダラカミキリの加害の可能性が高いと思います。

 ゴマダラカミキリの成虫は6~7月(9月まで発生)にかけて材内から脱出してきて、小枝を後食(栄養をとるために産卵した枝の先の方を食害)した後に、地際に近いところに横に噛みキズをつけて産卵します。

 若い幼虫(若齢幼虫)は、樹皮の下を浅く食害しますが、やがて辺材部を食害した後に材内に穿入し、樹幹の根元に細かい木くずを排出します。

 成虫になるまで2~3年を要すると言われています。

 被害は後食された枝が枯れたり、風で折れたりすることで発見できますが、地際に排出された繊維状の虫糞で気づかれることが多いでしょう。

 防除は、産卵する時期に樹幹下部に薬剤を散布(スミパイン乳剤、50~150倍液をくれぐれも葉にかからないように)するのが有効であると言われていますが、なかなか難しいでしょう。

 木くずが出始めたら、虫糞が出ている孔に殺虫剤を注入し、孔に封をします。


 また、モミジ類には、アオカミキリ(イロハモミジの被害が多い)、イタヤカミキリ、が記載されています。

 アオカミキリの成虫は6~7月(1年に1回と言われる)に発生し、枝(細枝、太枝)の辺材部に潜って加害するため、先端部が枯れて落ちます。

 イタヤカミキリの成虫は7~8月(2年に1回)に発生し、新梢の樹皮を後食し、樹皮に3~10cmの日光によるひび割れに近い産卵痕を付けて産卵します。

 幼虫が食害した部分は縦に裂けて、そこから繊維状の木くずを排出します。

 防除は、ゴマダラカミキリに準じますが、幼虫が潜入した後は、虫糞を出している孔に殺虫剤を注入したあとで、孔に封をします。(小河)