Q.フジの管理(あしかがフラワーパークをお手本に)

A.
フジの季節が終わるころ、その後の管理等について質問が寄せられます。

福岡県内にもさまざまな場所で藤棚が人々の目を楽しませていますが、毎年美しく咲かせるためにはどうしたら良いのでしょうか?

栃木県足利市にある「あしかがフラワーパーク」には4本の大フジがあります。

これらのフジは1996年2月、樹木医の塚本こなみ氏によって移植されたものです。(このことはNHKのテレビでも取り上げられましたので、ご存知の方も多いと思います。)

説明看板によると、これらのフジは樹齢140年との事です。そのうちのノダナガフジ№1は移植時には50畳の大きさであったものが、現在は600畳の広さとあります。(写真①)


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「あしかがフラワーパーク」の周辺にはアカメヤナギの大木が多数生えており、もともとは湿気の多い土地を造成して作られた施設と思われます。

剪定作業としては以下の作業が行われています。
・花の後    実を取る
・7月ごろ   夏季剪定(写真②,③)


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・1月頃~初春 冬季剪定 この頃になると花芽が見分けやすくなっているので、花芽を確認しながら剪定をする。

冬季剪定中遠景(写真⑨,⑩)、剪定前(写真⑥,⑦,⑧)、剪定後(写真⑫,⑬)
冬季剪定前の写真(写真⑥,⑦,⑧)のツルの伸び具合から判断して、秋にも混みすぎたところや長く伸びたツルを剪定してあるのかもしれません。

このことは電飾(冬季藤棚等園内が電飾される)と関係があるのかもしれませんが未確認です。

冬季剪定中遠景(写真⑨,⑩)

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剪定前(写真⑥,⑦,⑧)

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剪定後(写真⑫,⑬)

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写真からもわかるように、棚から太く大きく上に立ち上がったツルはありませんし、絡み合った太いツルもありません。

剪定作業の際に注意することは、「幹線となる太いツルが絡みあわないようにする」、「棚から上に立ち上がるツルを作らない」ということでしょうか。

また、棚から花房を下垂させるためには、幹線となるツルから伸びたツル(花芽の付いたツル)が隣のパイプを越えないように剪定することが必要ではないでしょうか。

7月頃長く延びたツル・絡み合ったツル・不要なツルを剪定して花芽の付いた短いツルをつくり、冬季花芽が見分けやすくなった頃に、花芽を確認しながら再度剪定するということになります。

したがって、冬季剪定の後にはかなりの隙間が空いて、すっきりした姿となります(写真⑫,⑬)。


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要は冬季剪定の前に、写真⑥・⑦・⑧の状態にもっていくことができるかどうかでしょう。
なお、剪定の際には、ツルをパイプ棚に誘引・結束する作業も同時に行われています。


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太いツルを切ると腐朽が入ることも考えられますので、将来のことを考えて、計画的なこまめな選定管理が必要でしょう。

また、一般の樹木の剪定の際には、腐朽を最小限に抑えるためにトップジンMペースト等の殺菌剤を塗布しますが、『足利フラワーパーク』ではフジの幹の損傷部には黒い色のものを塗ってありました。

製品名は未確認ですが、墨のような感じでしたので、キニヌールでしょうか。

トップジンMペースト等の接着剤の入った資材を使用することは、腐朽部が過湿になるために避けてあるのかもしれませんが、これも未確認です(写真⑭)。


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「あしかがフラワーパーク」には、大フジの他に、白フジのトンネル(写真④)や滝仕立てのフジ(写真⑤、⑪)などもあります。


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また、「あしかがフラワーパーク」では、夏の間フジ棚の下に大型扇風機を置き、回すそうです(写真②,④)。
これは、フジ棚の下の湿度が上がることを防ぐためとの事でした。


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「あしかがフラワーパーク」に足を運んで見てきたことを長々と書きましたが、ぜひ福岡県内でもこうした管理が行われ、多くの藤棚が毎年美しく人々の目を楽しませてくれることを期待しています。(神代)

【備考】
写真
① ノダナガフジ№1遠景  平成21年7月11日撮影(撮影者神代)
②    〃    夏季剪定          〃
③    〃     〃            〃
④ 白フジのトンネル              〃
⑤ 滝仕立てのフジ(夏)            〃
⑥ ノダナガフジ№1冬季剪定前    平成22年1月26日撮影(撮影者神代)
⑦    〃      〃           〃
⑧    〃      〃           〃
⑨    〃    冬季剪定中遠景       〃
⑩    〃      〃           〃
⑪ 滝仕立てのフジ(冬)            〃
⑫ ノダナガフジ№1冬季剪定後         〃
⑬    〃      〃           〃
⑭ キバナフジ(キングサリ)塗付剤  平成21年7月11日撮影(撮影者神代)