はじめに気がついたのが数ヶ月前でしたが、庭木の幹、枝に
写真のようなひも状のものが、何本もぶら下がっています。写真は八重桜の幹ですが、もみじ、とちのきにも同じものがあります。
まき、松には見当たりません。庭木は南向きに生えており、水はけもよいです。
私は「虫食い」ではないかと思うのですが、なにぶん初めてのことですので、対処のしかたがわかりません。
A.
ヒモワタカイガラムシの卵のうと思われます。
ヒモワタカイガラムシの卵のうと思われます。
1年1回の発生、5月頃に長いリング状の卵のう(灰白色~白色)を形成します。
書籍では、6月に卵のう内の卵(約3000個)がふ化して葉裏に寄生し、
落葉前に枝・幹に移動して3齢幼虫で越冬すると記載されています。
私はウメで観察したことがありますが、
その時には黄褐色の紐状(写真と類似)にぶら下がっているものが多く、
リング状のものは少ない状態でした。
防除は越冬幼虫にマシン油乳剤を散布する。(小河)
あるご指摘をいただきましたので、追記します。
写真はカイガラムシ類の卵のうではなく「キノコヒモミノガ」ではないかというご指摘がありました。
以下は、日本森林学会大会発表データベース(インターネット)によります。
名古屋大学を中心としたグループの「ナラ枯れ木に発生するハカワラタケとキノコヒモミノガ類の生活環と季節消長の把握」には、キノコヒモミノガは、タコウキン科のハカワラタケのみを餌とし、枯死翌年に最も多かったと記載されています。
つまり、ヒノキヒモミノガはハカワラタケを餌としているものになります。
写真のひも状のものが「キノコヒモミノガ」であれば、発生部位に「ハカワラタケ」の寄生と繁殖が必要になります。
虫体を確認したわけでもなく、菌の分離もしていませんので何とも言えませんが、同じようなひも状のものを確認したときには、カイガラムシ類の卵のう以外にもこうした可能性があることを加筆いたします。(小河)
(緑センからの追加コメント)
また、菌類に詳しい方に確認したところ、
2枚の写真には「ハカワラタケ」は写っていないが、剥がれ落ちているのかもしれません。サクラ類にはポピュラーなきのこなのでついている可能性はあります。以下などで検索されると形はわかると思います。
http://mikawanoyasou.org/kinoko/hakawaratake.htm
とのコメントもいただきました。
参考になさってください。