Q.
数年前に鉢から庭に移植し幹は大きくなりましたが、花は一昨年に一枝だけ開花しただけです。
小枝につく丸っこい芽が花芽と承知しており、ネット等で調査して剪定とかには気を付けてるのですが、、。
今年こそはと初春から観察して花芽が結構ありそうだと期待大でしたが、やはり葉芽ばかりで撃沈です。
晩秋迄の間に何回も徒長する枝の剪定とか、冬季の剪定等に問題があるのでしょうか?。
A.
1.
鉢植えのフジを購入されたのであれば、ノダフジや昭和シロフジ等の藤棚用のフジではなく、一才フジかもしれませんが、管理方法は同じです。
2.
品種によっては花が咲くまでに年数がかかる場合がありますが、ヤマフジであるとしても一昨年には花が咲いたのだから、通常の管理がなされていれば花は咲くはずです。
3.
ご自分で剪定してあるが、花芽のかたちは御存じのようなので、冬季の剪定の失敗ではなく、花芽ができていないことが原因と思われます。
花が咲かない原因の大部分は剪定の間違いによるものです。
本来、フジは剪定しなくても、少ないながらも花を付けます。
この事は自然界を見ればわかります。
自然界のフジは剪定などしませんが、それなりに花は咲いています。
フジの棚仕立や庭木仕立は、樹形をまとめ多くの花を咲かせるために管理されたものです。
近くにフジがきれいに咲いているところはありませんか?
その管理を見て参考にする方がネットなどより参考になります。
北九州の方には「河内藤園」や「吉祥寺」、
福岡市周辺には「武蔵寺」、
筑後地方には「中山のフジ」等きれいに管理されているところがあります。
これらを参考にするとよいと思います。
(今年はコロナウイルスのために入場制限しているところもあると思います。管理者の指示に従って下さい。)
以下、通常のフジの管理について述べます。
花後
ハナガラを取る(実をつけないこと)。花の付いた部分の2~3芽上でツルを切る。混み過ぎた部分を剪定する。
7月頃
花芽の分化時期です。
長く延び過ぎたツル・勢いの強いツルを半分程度の長さに切り詰め、
花芽となる部分に十分に光をあてる。
2月頃
花芽を残し、花芽の付いていないツルを切る。
今回はよくわからない状況ですが、
相談者さんのフジが藤棚と仮定して、想像力膨らませて述べます。
今春
主となる太いツルから伸びたツルを左右のバランスをとり、
適当な間隔をあけて20㎝程度で切り詰める。
不要なツルは元から取る。
7月上旬頃
勢いよく伸びたツルを半分程度の長さに切り戻し、2月頃の剪定までそのままで。
(慣れれば、混み過ぎた部分を切り詰めることも可能でしょうが、
フジの管理に慣れるまではそのままで)
2月頃
花芽を見ながら剪定する。
この時点までにすでに花芽はできているわけで、落葉するまでの管理が重要です。
また、フジは水を欲しがります、
チッソ分の多い肥料を与えるとツルが伸び過ぎます。
近年、蕾が玉状になり開かない状態の物が見受けられます。
これはフジノツボミタマバエの被害です。
このような蕾を見つけたら早めに取り除きましょう。
御相談の際には、写真を添付したり、
剪定を含めた管理状況についてもう少し詳しく述べてもらった方が
回答しやすくなります。
この点よろしくお願いします。(神代)