Q.
毎年、久留米市百年公園で開催されるツツジまつりに行き、ツツジの木を買って、庭に植えていますが、枯らすことが多く、原因や植えつけについて指導願います。
A.
ツツジは福岡県の木になっていますので、皆さんよくご存じの木ですし、個人の庭、公園、街路など多くの場所に植えられていますので、同じような相談も多くあります。
ツツジ類にはサツキやキリシマツツジ、オオムラサキのような常緑性のものとミツバツツジやレンゲツツジのような落葉性のものとありますが、多くの園芸品種もつくり出されており、人気の高い「アザレア」は、サツキと中国原産のツツジ類がヨーロッパで品種改良され、逆輸入されたものです。
ツツジを代表するクルメツツジは、江戸末期に既に園芸品種として栽培されていたキリシマツツジと野生ツツジであるサタツツジなどを母体に、久留米藩士による人為実生によって品種改良されたものです。
花は小輪、多花性で紫、ピンク、紅、絞りと多彩で花数が多く、品種も多く人気も高いところです。
相談のツツジもクルメツツジの代表的な品種の一つと思われますが、総じてアルカリ性土壌を嫌います。
枯れた原因として考えられるのは、
①忌地(いやち)現象=前に植えられていた植物の影響が土に残り、次の植物の生育が阻害されることで、ツツジ類も影響が出ます。
②苗が生産される畑の土が粘土分が多いと根鉢が堅く締まってしまうため、買ってきてそのまま庭などに植えつけると新しい根が出にくいことがあります。
③植えつけ場所が滞水、または土の排水が悪いため根腐れ等を起こしていることがあります。
以上のことから植えつけに当たっては、
①に対しては土壌改良をします。=これは植えつけ場所が限られる場合は特に、新しい土(マサ土、赤玉土等)に腐葉土などの有機物を混ぜることで微量要素の欠乏や忌地さらには適地である酸性土壌にも対処できます。
②に対しては買ってきた苗の根土を見て、良くほぐすか、粘土質のものであれば水で洗い流し新しい土に植えます。
③に対しては、雨降りの日に降水の流れ具合をよく観察して、滞水し排水も悪いようであれば、排水処理をすると共に、植えつけ場所は高めにするとよいでしょう。
(西岡)