Q.
庭に植栽して20年ほどになるシダレザクラの太枝の一本の表皮が剥落したのか
添付画像のようになっているのを発見しました。
いつからかは不明です。
他の枝は異変なく元気です。花付きは以前ほどでなくなりましたが、
他の幹や根元に菌類などもない様子です。
根元周辺の土に手を入れたこともありません。
なお、この樹は当該の枝を含め5年ほど前の花後に業者に剪定され、
画像のとおり切られています。
そのとき、切断面に何も塗っていなかったため 切断面を保護しなくてよいのかと尋ねましたが、
「何もしなくてよい」との回答で、業者がサクラの専門家を名乗っていたこともあり
切断面はそのままになっています。
当該の枝には どうやら葉も付いていない様子で、これは枯れて朽ちただけなのかとも思いますが、
病気の可能性はあるでしょうか?
直ちに切った方がよいのか、どのように処置したらよいのか分からず困っています。
A.
樹木の切り口から侵入した雨水は木を木を傷つける原因の一つで、さらに傷口への病原菌の増殖で、
材が腐朽により枯れる危険性も高くなります。
サクラの場合、他の木に比べ切り口の癒合組織(カルス)の発育が悪く剪定すると切り口がふさがらず
腐朽菌が侵入し、枯れ込むことがよくあります。
そこで、雨水や腐朽菌対策として、癒合剤は、塗ることでカルスが形成されるまで木の切り口を覆う
保護膜の役割を果たします。
写真からすると太枝の切り口から腐朽しているようなので、対応は腐朽材部位を健全部付近で切除、
切り口に癒合剤を塗布します。癒合剤は殺菌剤も含んだトップジンMペーストやバッチレートが
市販されています。(どちらもサクラに登録あり)
今回は切り口のカルスが出きず病気の侵入が進み枯れ込んだと考えます。治療で回復することを
祈念します。(空閑)