Q.
地上コンテナで栽培された樹高1m位のイヌマキの茎が、胴枯れ症状を呈しています。
原因は何でしょうか。防除対策はありますか。
A.
原因は判りませんが、胴枯れを誘引する要因はいくつか見いだされます。
まず根の状態ですが、腐敗はしていないし根冠部に異常もありませんが、地上部に対して貧弱ですし、ルーティングも認められます。
次に、地際から30cm位のところに倒伏防止用の杭を結びつけた針金のくびれがあります。
胴枯れ症状はその上部数cmから発生しています。
壊死部が完全に茎を一周していないので上部は生きているが、被害幹部の長さは10cm以上あり横断面への拡がりも観察されるので、やがて幹部から上部は枯死すると考えられます。
幹部には小隆起物(病原菌の子実体)が形成されています。
被害発生の要因は、何らかの原因で生理的異常を生じた部分に枝・胴枯れ性の病原菌が感染し、発病したものと考えられます。
以前、垣根に植栽されたイヌマキの枝・胴枯れ症状を観察したことがありますが、原因は、根冠部の一部がルーティングの根に締め付けられて部分的に壊死し、それに連なる幹に生理的異常を生じ、枝・胴枯れ病原菌が感染・発病したものでした。
予防するには、生理的異常を生じさせないような管理と、植栽時には根をよく広げてから植えつけるような工夫が必要でしょう。(小河)