Q.クロマツの針葉の枯れ

Q.
毎年、秋口になるとクロマツの針葉の先端から3分の2位が変色、褐変してきます。原因と対策を教えてください。

A.
クロマツの針葉が変色するのは良く見かける症状ですが、お尋ねのように秋口から針葉の先端が変色褐変してくる病気に、マツの葉ふるい病があります。

クロマツは、6月から7月上旬にかけて緑摘み(芽摘み)を行いますが、緑摘み後に伸長展開した針葉に「マツの葉ふるい病菌が感染し、前記のよう症状を呈することが良くあります。

マツの葉ふるい病菌は罹病葉で越冬し、翌春罹病葉上に感染源となる子実体を形成し、そこから胞子(子のう胞子)を飛散して新たに感染します。

対策としては、緑摘み後に芽吹いた新梢が展葉(針葉が開き始める)が始まる時期に、下記の殺菌剤を2~3週間おきに、10月上旬まで散布します。

クロマツの針葉の変色には、赤斑葉枯病、先葉枯病、炭疽病等がありますが、葉ふるい病対策を施すことである程度、被害を予防できるのではないかと考えます。

また、針葉が黄変する被害があり問題になることがありますが、原因が良くわかっていません。

植栽地の土壌を有機質肥料等で改善することや、排水条件を良くしてはお話しすることがあるのですが、話のような対策を講ずることで被害を軽減できたという話を頂くことがありますので、クロマツの管理の際に参考になさってください。

それから、針葉全体が脱色、灰白色化する場合にはハダニ類の被害を想定し、ダニ剤の散布をお勧めします。(小河)