Q.
ハナミズキの葉の先が褐色に変色し、縮れたようになってきました。
原因と対策がありましたら教えて下さい。
A.
ハナミズキの葉に発生する病気では、うどんこ病、灰色かび病、とうそう病、斑点病などが知られています。
また、樹体全体の葉が萎凋して枯れる被害は、根・地際に発生する白紋羽病によるものです。
うどんこ病はよく見かける病気で、新梢や若葉の表裏両面に白粉を生じ、幼葉は縮れて枯れることがあります。
灰色かび病は、病原菌に侵された花弁が落下して葉に付着しますと、その部分から不定形の淡褐色の病班が出来ます。湿潤時には急速に拡大し、やがて萎れて枯れます。
とうそう病もよく見かける病気ですが、幼葉、若葉上に赤褐色の小さな(1~3mm大)病班を多数生じます。
若葉の主脈が侵されると縮れやねじれを起こし奇形を呈します。
また、幼柄・幼茎枝にも赤褐色斑点を生じ、のちに著しく膨れてかさぶた状になります。
白紋羽病は、色々の樹種を侵す多犯性の病気です。
病樹の根や地際部の樹皮には白色~灰白色の菌糸束や薄い菌糸膜が形成されます。
病気に侵され腐敗した樹皮は、異臭を放ちます。
防除方法ですが、
防除方法ですが、葉の病気は発生時期(発生初期)に予防的に殺菌剤を散布するのがよいでしょう。
白紋羽病の場合は、病樹を抜き取り処分したあと、土壌を入れ替えるか土壌消毒を行った後で、新しい樹木を植栽される方が良いでしょう。
登録された防除薬剤は、下記のとおりです。(小河)
●うどんこ病:
トリフミン水和剤(3000倍)、マネージ乳剤(1000倍)、モレスタン水和剤(200倍)など樹木類として登録。ベニカX乳剤(500倍)がハナミズキで登録。
●斑点病(シュードサーコスポラ菌):三共ベンコゼブ水和剤・クミアイベンコゼブ水和剤(600倍)が樹木類で登録。
●白紋羽病:ビワの開花前にフジワン粒剤(土壌混和)、収穫後にトップジンM水和剤(300~500倍液の土壌灌注)。ナシの植付前にトップジンM水和剤(500倍液の土壌灌注)、落花直後に1株当たりフジワン粒剤3~5Kg施用、休眠期にフロンサイドSC(1000倍)施用。
●灰色かび病:
ハナミズキや樹木としての登録農薬はありません。
バラにジマンダイセン水和剤(400~600倍)、兼商ステンレス(1500~2000倍)が登録。
また、果樹類ではフルピカフロアブル(柑橘類・ブドウ2000~3000倍、カキ2000倍)、ストロビードライフロアブル(柑橘類・キウイフルーツ2000~3000倍、ウメ2000倍、カキ3000倍)、ゲッター水和剤(ウメ・ブドウ1000~1500倍、カキ1000倍)、フロンサイドSC(柑橘類2000~2500倍、ウメ・カキ・キウイフルーツ2000倍)などが登録。
●とうそう病(そうか病):ハナミズキや樹木としての登録農薬はありません。果樹類では柑橘類にマネージ水和剤(2000~3000倍)、ストロビードライフロアブル2000~3000倍)、ゲッター水和剤(1500倍)、フロンサイドSC(2000~3000倍)が登録。