小彼岸桜

 Q. 今年8月から、小彼岸桜の葉に虫がついて、色が抜けたようになりました。黄変して、落葉したものもたくさんあります。9月中旬には小彼岸桜の根元の地面に、キノコが大量に発生しているのを見つけました。根元の一部は、コツコツ叩くと鈍い音がする場所があり、樹皮を少し剥がしてみたら、少し白い部分がありました。庭に植樹して11年目です。住まいは福岡市です。小彼岸桜は、庭の西側にあります。樹皮を剥がした写真は東側から撮りました。日当たりは良く、庭の樹の周りは土が少し硬くなっています。除草剤は使用したことはありません。5年前、葉にアブラムシが発生したことがあり、予防のため樹の消毒は、ニームオイル(2週間に一回くらい)にしています。子どもがいるので、農薬は使用していません。長期留守にする7月末までは、葉も活き活きとしてとても元気でした。何か対策はありますか。

A.    小彼岸桜の葉の病変の件

①せんこう褐斑病

ZボルドーかダイセンかトップジンMなどの殺菌剤を使用しないと防ぐことができません。ただ、これは多くの桜の木で発病しますが、そのせいで木が枯れるということはあまりありません。
②グンバイムシ
葉裏が汚くなりますが、木が枯れることはありません。
春には花は咲きます。
消毒はスミチオン水和剤1000倍を散布します。
水道の水圧を高めにして葉の裏にかけてください。
すぐに落ちると思います。ホースを指で摘んで圧を高めて散水です。
キノコの件
根元・地際の発生ですね。
根元に害虫痕または人為的傷があり、木質部の一部が枯れ材となり、キノコ菌が付着して発生したものです。
幹周りの4分の1くらいの傷枯れでしたら、治癒するまで自然のままで観察してください。それ以上の傷でしたら、枝の剪定をして木が倒れないようにバランスをとった剪定が必要です。
※キノコは枯れ材だけ食べて生きています。
2~3年発生しますが、その後はなくなり、発生したところの枯れ材はスポンジのように柔らかく水分も多く含みます。
その中に木自らが気根を発生して自分自身の身を守るようになります。
※樹木医学会ではキノコを取り除き、その付着部の材はすべて取り除き薬品処理を指導しています。私は山の中・自然界の多くの事例を観察してきて、木自身が自然界の力と自分の力で腐熟したのちに、自らを守るため気根を発根して地中に根を下ろすことを見てきました。この治療法を用いた浅井の一本桜の主幹を見学すると、この意味がよく分かると思います。
(古賀)