Q.ヤドリギの対処法について

Q.
 ツバキにヒノキの葉のような形をした植物が寄生していますが、何でしょうか?
 ツバキの成長に影響はないのでしょうか。

A.
 ツバキ科のツバキ・サザンカ・ヒサカキ・サカキ等にはヒノキバヤドリギが寄生します。
 ヒノキバヤドリギは、鱗片状の退化した小さい葉を対生する(ヒノキの葉状)常緑の寄生低木です(ヤドリギ科ヒノキバヤドリギ属)。

 図鑑には、ギンモクセイ・ネズミモチ・イヌツゲ・モチノキ等にも寄生すると記載されています。


 種子は果皮をかぶっており熟すと自ら飛び出して、種子の周囲についている粘質物で樹皮等にひっつき発芽して、生活の場を広げます。

 多くのヤドリギが寄生すると寄主は枝枯れや枝折れを生じて弱ってきます。

 ヤドリギは、寄生している枝を切除するか、寄生部分を削り取って駆除するしかありません。

 除草剤を使用できないかと相談を受けることがありますが、ヤドリギを通して除草剤の成分が寄主側に以降する可能性があり、お薦めできません。

 根気よく駆除するとともに、樹木本体が旺盛に成育するような管理を心掛けましょう。(小河)

*ヤドリギ科の樹木:図鑑では、多くは樹木に寄生する常緑の低木で、葉は通常対生で全辺、托葉はないと記されており、下記のような属の検索表が記載されている。
・葉は鱗片状=ヒノキバヤドリギ属(ヒノキバヤドリギ)
・葉は鱗片状でない
・葉は二叉状に分かれ黄緑色で、花は単性=ヤドリギ属(ヤドリギ、アカミヤドリギ)
・葉は黄緑色でなく、花は両生
・花被片は離れている。穂状花序=ホザキヤドリギ属(ホザキヤドリギ)
・花被片はひっついていて筒状。集散状花序=マツグミ属(マツグミ)