Q.ケヤキの幹を加害する穿孔性害虫について

Q.
 ケヤキの幹に孔が開いていますし、表面が割れています。

 幹からは所々樹液がぼとぼと出ていますが、原因は何でしょうか。

 殺虫剤を掛けて防ぐことができますか。

A.
 症状からしてクワカミキリによる被害だと考えられます。

 標高の低いところに植栽されたケヤキに、クワカミキリによる被害が報告される事例が多くなっています。

 成虫は6月中旬頃から8月に出現し、新梢の樹皮を摂食します。


 幹・枝に馬蹄形の傷を付け、一粒ずつ産卵します。

 材内部に侵入した幼虫は、外皮に虫糞を排出する孔をあちこちに開けながら加害します。

 幼虫は材内で越冬し、2~3年かけて5~6月に蛹になり、それから成虫になって材から脱出します。

 防除ですが、成虫は捕殺します。

 材内の幼虫は、虫糞が出ている孔から針金などを差し込み殺虫します。

 虫糞が出なくなったら幼虫は死亡していることになります。

 殺虫剤を孔に注入し、孔を接蝋などで塞ぐ方法もありますが、残念ながらケヤキ、樹木での登録農薬はありません。(小河)