Q.
ツバキ・サザンカとヒマラヤスギに虫がついて葉を透かしていますが、どうしたらよいでしょうか。
A.
ツバキとサザンカを食害している虫は、お話からするとチャドクガだと思います。
ツバキ・サザンカでは4~6月と7~9月の2回発生します。
最初は集団で一列に並んで食害しますので、その時期に葉ごと切り取り処分しましょう。
幼虫には無数の毒毛がありますので、触らないように注意しながら切り取ります。
幼虫が分散して、手に負えないようでしたらMEP乳剤(ツバキにはスミソン乳剤2,000倍液、サザンカにはスミナイス乳剤1,000倍液)を散布すると良いでしょう。
ヒマラヤスギですが、マツカレハかツガカレハの被害だと思います。
近年、マツカレハは都市公園・街路樹・庭園木のヒマラヤスギでも発生が顕著になってきました。
成虫は、7~8月に現れ針葉に紫色の小さな卵を房状(卵塊)に産卵(普通300粒位)します。
一週間くらいで孵化した幼虫は集団で今年伸びた梢の針葉を片側だけ食害するので、新梢の葉が塊状に褐変し、遠方からでも被害発生がわかります。
やがて幼虫は分散し、針葉全体を食害するようになります。
4~5齢を経た幼虫は11月頃地面に降りてきて越冬しますが、暖かい地方では樹上で越冬する場合もあります。
越冬幼虫は翌春3~4月に再び木に登ってきて食害し始めます。
針葉の90%以上を食害されると著しく成長が阻害され、100%の食害が2年続くと枯死する割合が高くなります。
一方、ツガカレハも街路樹や庭木のヒマラヤスギを食害します。
成虫は7~8月に出現して、針葉に産卵します。
成長した幼虫は11月頃地面におりて越冬します。
翌春、再び木に登って針葉を食害するため、6月頃には被害が目立ってきます。
被害が激しい場合には枯死することもあります。
防除は、皆さんも時々見かけられる風景でしょうが、幼虫が越冬のため地面に降りてくる習性を利用し、10月頃樹幹にコモを巻きその中に越冬幼虫を集め、翌春幼虫が木に登る前にコモごと焼却する防除方法が古くから行われています。
また、微生物殺虫剤BT(ボーベリア菌)やマツケミン(細胞質多角体ウイルス:CPV)の利用も効果があります。
化学薬剤を散布する必要がある場合には、フェニトロチオン剤(スミパイン乳剤)の1,000~1,500倍液、クロルピリホスメチル剤(レルダン乳剤40)の2,000倍液を幼虫の小さい間に散布します。(小河)