Q.
庭にマツ、サザンカ、サルスベリ、ウメ、モモ、カキなどを植栽しています。
冬の間にマシン油乳剤を散布した方がよいと聞きますが、どのようなものに効果がありますか。また、散布要領を教えて下さい。
サザンカのチャドクガ、サルスベリのすす病、ウメの葉の縮れ、カキのカメムシの防除はどうしたらよいでしょうか。
A.
マシン油乳剤は、落葉樹の落葉期、常緑樹で散布液の濃度が異なります。
落葉樹・常緑樹と一緒に散布する場合には、薬害を考えて常緑樹の濃度(45~50倍)で散布してください。
ハダニ類、カイガラムシ類の駆除に効果があります。
ただ、薬害が出る可能性がありますので、薬液が残ったからといって2度撒きはしなでください。
サザンカのチャドクガは孵化した幼虫が集団で行列を作って食害しているときに、葉毎切り取り処分します。
幼虫が分散している場合には、スミナイス乳剤(フェニトロチオン剤)の1,000倍液を散布します。
サルスベリのすす病は、アブラムシ類やカイガラムシ類の排泄物に寄生しますので、これらの防除が大切です。
カイガラムシ類には、卵が孵化し幼虫が動き回る6月頃に発生を確認して、スプラザイド乳剤40(メチダチオン剤)の1,000~1,500倍液を散布します。
アブラムシ類は発生を確認したら、スミチオン乳剤(フェニトロチオン剤、MEP50%含有)の1,000倍液を散布します。
ウメの葉縮れは、アブラムシ類の寄生による場合が多いので、アブラムシ類を防除するとともに、剪定を行ってください。
どうしても薬剤防除をしたい場合には、果実の収穫7日前までにマラソン乳剤(マラソン剤)2,000~3,000倍液(散布回数:5回まで)、DDVP乳剤50(DDVP剤:ジクロルボス剤)1,000~2,000倍液(散布回数:6回まで)、モスピラン水溶剤(アセタミプリド剤)2,000~4,000倍液(散布回数:2回まで)を散布してください。
庭木のカキで、カメムシによる被害を防除するのは至難の業です。
私事ですが、ほとんど収穫無しという年も何度かありました。そんなものだと割り切った方がよいでしょう。
その他の樹種でも、病気の予防や害虫の防除を行う場合には無駄を省くために、適期に防除するように心がけてください。
また、病害虫が発生し難いように、整姿・剪定を行って風通しや日当たりを良くしたり、翌年の感染源となる病落葉を処分したり、カメムシなどの越冬場所になる落葉を整理するなどの予防措置をとることが大切です。
それから、緑化用樹木に農薬登録がなされている農薬は非常に少ないので、良く確認して使用してください。(小河)