Q.モミジの衰弱・枝枯・枯死について

Q.
 モミジの葉の褐変、枝枯れ、枯死について良く相談がありますので、その原因と対策について、再度記載します。

A.
 文献と経験によりますと、モミジの衰弱・枯死の大きな原因は、カミキリムシ類の成虫による食害(後食)と幼虫による樹皮下から材部への加害が考えられます。

 成虫は小枝部を後食しますので、枝枯れを起こしますし、風などで枝折れを生じます。
 幼虫の加害部位はカミキリムシの種類によって異なります。

 黒地に白斑の翅を持つ大型のゴマダラカミキリの幼虫は、地際部の材部から根部を加害します。繊維状の糞を排出します。

 全身がやや赤っぽい緑色で、翅は金属光沢のある緑色のムラサキアオカミキリ(翅が緑色は北部九州に、翅が紫は南九州に分布:大長光氏談)の幼虫は、細枝・太枝や上部の幹の辺材部に潜って加害し、加害部には木屑・虫糞が充満しているそうです。

 対策としては、成虫の発生初期又は直前に、殺虫剤(一般樹木、カミキリムシ類にスミパイン乳剤50~150倍液が登録)を太枝・樹幹部に散布します。

 また、カエデを加害するゴマダラカミキリには、食害部や虫糞の排出孔に噴射(注入)する園芸用キンチョールEが登録されています。(小河)