Q.カナメモチ、レッドロビン類の病気について

Q.
当方、垣根としてレッドロビンを植えて10年ほどになります。

今年も、いつもどおり6月に自分で電機バリカンで剪定したんですが、その後、4から5本の株に、葉がトラ模様になり、最後は落葉してしまう症状が発生してきました。

とりあえず、そうした葉は除去し、ベンレート剤を2週間前頃に散布したのですが、今日見ると、また広がっていました。

また、ほかの株の新芽は紅く伸びてきているのですが、その株は薄緑です。

これは何の病気なのでしょうか。

また、どのような処置をすればよろしいのでしょうか。

A.
この件に関しては、複数の回答があります。


(回答その1)
6月に剪定されて新しい紅色の芽が伸び、葉が開いたあとでトラ模様になり、最後は落葉してしまう症状が発生しているということですが、どのような症状かがはっきりしませんので何とも言えません。

レッドロビン(カナメモチ類)の葉の病気には、ごま色斑点病という病気があります。

この病気の症状は、新葉が開く前位から葉に赤褐色の斑点が沢山できてきます。
やがて、斑点の中央部分にゴマ粒位の黒い粒々ができます。
病気にかかった葉は、早期に落葉しますし、新芽の場合には奇形になることもあります。

レッドロビンはベニカナメよりもこの病気に罹りにくいのですが、最近ではこの病気の発生事例が多くなっています。

ベンレート剤(2,000倍)を予防的に散布することで発生を防止できます。

散布後に病気が発生しているとのことですが、病気は感染してから症状が出るまでに日数がかかりますので、薬剤散布前に感染して定着している部分は、新たに発生したように感じます。

今実施されているように、被害葉を摘み、病落葉を清掃して、ベンレート水和剤を2週間に一度10月上旬まで、全ての株に散布してみてください。(小河)

(回答その2)
(添付写真を見て)ごま色斑点病ではないと思います。
写真を見る限り、褐斑病の可能性のほうが高いのではないでしょうか。

新芽にはまだ病斑は見られないようなので(感染しているとしても軽微)、
褐斑病の場合、登録農薬はありませんが、ベンレート水和剤・トップジンM水和剤を数回散布すれば状況は改善すると思います。
(新たな葉への感染を防ぐことができる)

この際にも病気に感染し、変色した葉を取り除いた方が良いでしょう。

他の可能性として、薬害の可能性も考えられます。

水和剤を規定濃度で散布した場合、ほとんど薬害は発生しないと思いますが、
展着剤を入れた場合その濃度、乳剤(殺虫剤)を追加した場合その濃度と混合の可否について考えてみる必要があるのかもしれません。

また、かなりの強剪定がなされているのであれば、年数回の剪定をお勧めします。
(植栽後10年経過しているのであれば1年間に伸びる量はかなりのものだと思いますので)(神代)

(回答その3)
葉の斑点性病害の件ですが、葉の症状を見ると発生地域によって点状発生、写真のようにトラ斑状に発生、フチの廻りからの変色とあるようです。

いずれにせよ、その後落葉して小枝の枯れが発生し、全体的におとろえていきます。
1本から2本、3本と連なって発生していきます。

放置しておいてすぐ枯れるということはありませんが、生垣樹として寂しい状況ですね。

主幹部分を見ると樹皮が脱皮するようにところどころで簡単に剥がれおちます。
しかしその下には新しい樹皮はできています。これは末期の症状と言えます。
根の調査をしてみると小さなコブの発生がよく見られます。
地際部と地下部で汚染されていることが多いようです。

昔、日本ベニカナメを露地栽培していましたが、元肥に石灰や消石灰を多めに施用したところには根コブ(根頭がんしゅ病)は発生がほとんどなくスムーズに生育してました。

また、根コブ、ごま色斑点病の発生した農場では、ボルドー液の散布を流れるように散布すると回復したものです。石灰ボルドー液を流れるように散布すると、地下部では石灰の効果が出ているのか、地上部では落葉・小枝の枯れが止まり回復していました。

一般の方はボルド液を作るのは難しいでしょうから、
代用品として、カナメモチ類には登録はありませんが、
Zボルドー、キノン銅、ダイセン系水和剤の3種類を使い分けてください。
また根株付近に消石灰を少しでいいのでまいてください。

それから、発生の激しい樹は強剪定してください。
主幹と太幹だけに思い切って剪定してください。
小枝・中枝の病素の部分は除去すると立ち直りが早いです。

最後に定期的な防除方法についてですが、
カナメモチ類は春の芽立ちが他の木に比べて2週間ほど早いです。
春芽の出る前に必ず殺菌消毒をしてください。これが1番大事です!

後の消毒は他の樹木に合わせて消毒すればOKです。
特に、5月の上旬と、8月下旬から9月上旬頃の消毒は必ずしましょう。(古賀)